ヤーコプ・フォン・ユクスキュル『生物から見た世界』(岩波文庫)

 

生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

 実はドーキンスの『利己的な遺伝子』増補新版を訳した人と訳者が同じです。
 ユクスキュルは、生物は機械ではなく、機械操作係だと主張します。また、生物は客体ではなく、主体であると主張します。
 生物が主体として感じ取る世界をユクスキュルは「環界」と呼んでいます。生物は様々な外界刺激の中から、自身の環界において世界を認識し、行動しているというのです。
 大変刺激的な見方を提示している本だと思いました。ラ・メトリの『人間機械論』と比べて読んでみたいですし、動物行動学という学問にも興味が出てきました。
 ところでこのユクスキュルの考え方はあのハイデガーに大きな影響を与えたといいます。僕は思想には疎いのでどのようにかの有名な哲学者の考えとユクスキュルの理論が繋がっているのかは分かりませんが、そちらの方も余裕があれば確かめてみたいものです。
人間機械論 (岩波文庫 青 620-1)

人間機械論 (岩波文庫 青 620-1)