子どもが叩かれる、ような欲望の記憶

 「子どもが叩かれる」というのは、フロイトの論文のタイトルだが、そのなかでフロイトは「子どもが叩かれる」という空想によって性的興奮を得る人々を取り上げ、分析を加えている。
 この論文の存在は蒼龍さんのブログで知り、やおい・BLを理解するための文献として興味深いと思っていた。
 そのあと、今日になってid:kuronekobousyuさんが主宰するweb評論誌の「コーラ」のバックナンバーの記事を眺めていたら、24年組世代の女性まんが家がヒーローが痛めつけられたり拷問されたりする描写に性的興奮を感じていたと記されているのを発見し、あらためてこれが他人事ではないことを認識した。というのも、私自身、特撮やアニメのヒーローが苦しめられる様に、性的興奮を感じていたからである。そのような感覚を、私は今でも持っている。もっとも最近の例としては、コードギアスルルーシュがスザクにやられるシーンが私にそのような感覚を呼び起こした。「コーラ」の記述では、男の子たちはヒーローの強さにばかり目がいってしまい、そのような欲望に気づかなかった、という証言を参照しているが、私のような男性も、単にカミングアウトしないだけで相当数いるのではないだろうか。