『優生学と人間社会』

 いまだパソコンが直らず、困る。しかも課題に追われる。無事にすべての単位を取得することができるのか。
 で、これ読みました。

優生学と人間社会 (講談社現代新書)

優生学と人間社会 (講談社現代新書)

優生学は厚福祉社会と親和性が高い、とか、日本では優生保護法が1996年まで残っていた、とか、僕にとってはとにかく衝撃的な内容でありました。
 全体的な内容とは別に個人的に興味深かったのは、大塚英志の提起している問題と重なる部分があったところ。H.スペンサーなんていう名前にがっつり反応いたしました。現在、世界解釈の方法としてスタンダードになっている自然科学的解釈は、キリスト教的世界解釈の没落後に「自然科学主義」というひとつの思想運動としての流れの中で定着したものだった。この思想運動としての「自然科学主義」(実はスペンサー主義と言い換えうる?)が優生学が受け入れられる素地を形成し、さらには現代を生きる人々の「新しい現実感」さえもこの19世紀後半の時期に形成された。つづく、かもしれない。