水間碧『隠喩としての少年愛』
水間碧というひとの『隠喩としての少年愛』(創元社)をいま読んでいるのだが、すごい。女性の少年愛嗜好については以前に少し書いた「二人の女の子」との関連がありそうだったので最近興味を持っていた。
水間さんは女性の少年愛嗜好の意味を「男女を問わず人が“母”から心理的に分離し自立するためのスプリングボード」として捉えている。またそれを西欧近代化による社会的状況の変化と関連させているが、このあたりは大塚英志の評論を想起させる。
やおい・BLの多様性を鑑みつつ、そのどれかを特権的に他と峻別してしまうこともなく、明晰な分析が書き進められている。
- 作者: 水間碧
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 単行本
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