ホームレス

 ホームレスに対する、コンプレックス的感情である「怖さ」が否応なく生じてしまうことを認めることと、その感情を持つことを正当化することとは異なる。「『怖い』のは『しょうがない』」ということの意味が、怖がっても別にいいんだ、ということであるなら、僕はそれに同意しない。我々は怖がって「しまう」のであって、怖がって「よい」のではない。
 そのことはまた、差別感情をなくせばよいのだ、という短絡とも異なると思う。たとえ差別感情を無くせなくてもそのありようと帰結とを考えることは必要なことだと思う。
 最近、僕はやっぱりいろんな意味で保守的な人間なんだということを確認していて、それで「ホームレスのような生活」に自分の意志で好き好んでなることは「よくない」という思いがあることを認めざるを得ないのだが、そのこととホームレス全体を否定することは異なるし、なぜ「よくない」と思うのかを突き詰めることも怠るべきではないと思う。
 
追記:あまり虚構を参考にしすぎるのもよくないと思うが、『妖奇士』の17話と18話はジャストヒットだなと思った。